平成29年1月22日に埼玉県吉川市にてdrawer設立記念セミナーを開催しました。
テーマは、『関節可動域制限と筋力の診方と治療アプローチ』
約30名の方にお集まりいただきました。
写真はグループで自己紹介している様子。drawerセミナーでは他病院のセラピストとの交流を図ることも目的の1つとしているので、あえて同じ病院同士で固まらないように配慮しています!!
関節拘縮の定義から関節拘縮の責任病巣まで研究データを用いて説明。
関節拘縮を引き起こすきっかけは不動であり、拘縮の責任病巣として最も大きな影響を与えるのは骨格筋です。
今回のセミナーでは臨床イメージを持ちやすくするため、円背高齢者の上肢を想定して骨格筋へのアプローチを解説しました。
<実技内容>
(写真:大胸筋、上腕二頭筋をリリースしている様子)
『MMTの結果が良ければ動作レベルでも筋力を適切に使えるのか?』という問題提起から講義をスタート。
MMTで評価している筋機能は部分的評価(モーメント)に過ぎず、必ずしも日常生活動作で使えるとは限らないことを説明。
日常生活動作で使えるようにするためには、筋機能を『空間の要素』『時間の要素』『強さの要素』の三要素に分けて評価することが大切だということを理解してもらいました。
基本的な考え方を理解した後は、臨床イメージを持ちやすいように円背高齢者の下肢筋機能を想定して評価とアプローチを解説。
骨盤後傾肢位の固定化をきたしやすい大殿筋や中殿筋後部線維、ハムストリングスをリリースした後、腹臥位で中殿筋を促通する実技を提案しました。
(写真は外側広筋とハムストリングを隔てる外側筋間中隔をリリースしている様子)
午前中の上肢への介入、午後の下肢への介入を行った結果、猫背傾向にあった姿勢に大きな変化が認められました。
受講生同士のペアでも姿勢の変化を体感することができ、骨格筋に対して適切にアプローチすることの重要性を理解することができたと思います。
今回のセミナーでは5時間のうち、約8割を実技に費やしました。
drawerセミナーで対象としている1〜3年目のセラピストは日々の臨床で悩んでいます。少しでも翌日の臨床が良い方向に変わるようにと講義は必要最小限にしています。
そんな思いが伝わったのか、今回受講してくれた方からこんなコメントをいただきました。
骨格筋に対するアプローチはシンプルですが、適切に介入すれば臨床で対象者さんに喜ばれる結果を出すことができます。
僕は特に、 1〜3年目のセラピストこそシンプルに考えるべきだと思います。
〝難しいことこそシンプルに〟
drawerセミナーではこれからも、できる限りシンプルに臨床を伝えていきます。
次回のdrawerセミナーは4月30日(日)に開催予定