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美容院で髪を洗っている時に脳卒中を発症することがある。海外ではこの症状を訴えた男性に、美容院が約1300万円もの慰謝料を支払ったというニュースがあり話題になった。美容院と脳卒中が、どう関係しているのだろうか。

情報源: 美容院で脳卒中?“意外”な危険|日テレNEWS24

 

年の瀬が迫った去年の12月23日。美容院で髪を洗ってもらっている時に脳卒中を発症するリスクがあることが報道された。

シャンプー時に首を反らせることで首から脳に行く血流(血管)が圧迫されることで血行不全が生じ、脳貧血のような状態になることが原因だと考えられるが、具体的な予防策について記載している記事は皆無である。

そこで、今回は理学療法士の視点から美容院での脳卒中発症を予防するための対策を考えてみた。

 

美容院におけるシャンプー台の種類

美容院にあるシャンプー台は主に、『バックシャンプー(左上)』『サイドシャンプー(右上)』、そして最近増えてきている『フルフラット型シャンプー(左下)』の3つに分けられます。

 

『フルフラット型シャンプー』を導入するには比較的広い店舗面積が必要になるだけでなく〝コスト〟もかかるため、実際には『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』を設置するお店が多いようです。

シャンプー台だけが全ての原因ではないですが、『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』では『フルフラット型シャンプー』と比べて首を反らせることになるため、血流を阻害しやすい傾向にあるということは知っておいたほうが良い知識だと思います。

 

そもそも、どんな人が危険なのか??

『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』が血流を阻害しやすいということを理解できても、様々な事情があるため、『フルフラット型シャンプー』をすぐに導入することは難しいでしょう。

そんな時に知っておきたいのが、『どのようなお客さんに注意すればいいのか?』という予防的な視点です。

理学療法士の視点で考えると、血流が阻害されやすい人と阻害されにくい人の違いは〝姿勢〟にあると考えます。まずは健常な人の姿勢を考えてみましょう。


出典:http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/

一般的に正しい姿勢では背骨がS字カーブを描き、写真左図のような姿勢をとります。

一方、猫背になると頭の位置が前方に突出し、通常よりも首が過剰に反ることを余儀なくされます(写真右図 前かがみ参照)。普段の姿勢で通常よりも首が反ることを余儀なくされた人が、『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』を使うと更に首を反るストレスが増大されるため、首の血管を圧迫し血流が阻害されやすくなると考えられます。

つまり、普段の姿勢が猫背の人のシャンプーをするときほど注意をした方が良いということです。

特に、脳卒中の発症リスクが高まる50代後半以降のお客様を対応するときは特に要注意です。

出典:http://www.nissui.co.jp/academy/eating/11/

具体的な予防策

次に、猫背のお客様を担当した時に美容院でもすぐに実践できる具体的な予防策について考えてみました。下の写真をごらんください。

写真のように、丸めたタオルを首の下に入れることで首が過剰に反り返ることを予防することができます。

ただし、タオルの高さが高すぎると逆効果になる場合があるので、顎が上がりすぎないように注意しましょう。お客様に『タオルの高さはいかがですか?』と聞くのも良いと思います。

この方法は新たに物品などを購入する必要のない予防策なので、『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』を導入されているサロンの方は参考にしてみてください☆★

 

まとめ

  • 『フルフラット型シャンプー』に比べて、『バックシャンプー』や『サイドシャンプー』は首にストレスがかかりやすい。

 

  • 特に猫背を呈している50代後半以降の方をシャンプーする時は注意が必要である。

 

  • タオルを丸めたものを首の下に入れることで、過剰に首が反り返るのを予防することができる。

 

以上、理学療法士の目線で美容院での脳卒中予防策について述べてみましたがいかがでしたでしょうか?

この情報が、美容師の方に少しでもお役に立てば幸いです。

ご質問等がございましたら、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

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drawer代表 けーすけ

drawerの代表を務める理学療法士。20代PTOTのスキルアップを、本気で応援したいと思い活動しています!各種SNSもやっていますので、是非フォローお願いします☆★